学生による茨城観光・生活紹介

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高齢化とは何か?

 高齢化は、65歳以上の人口が総人口に対して一定以上の割合で存在している状態のことです。
 また、総人口に占める65歳以上の人口の割合が7%以上14%未満の社会を高齢化社会、総人口に占める65歳以上の人口の割合が14%以上21%未満の社会を高齢社会、総人口に占める65歳以上の人口の割合が21%以上の社会を超高齢社会と言います。¹⁾

 

日本の高齢化の現状

 内閣府が発表した「令和6年版 高齢社会白書」によると令和5年10月1日現在、日本の総人口は1億2435万人とされています。そのうち29.1%は65歳以上の人口が占めています。つまり、現在の日本は「超高齢社会」に属しています。令和5年に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」によると、46年後の2069年には日本の総人口が8700万人まで減少すると推測されています。さらに、総人口が減少しても高齢化率は増加し続け、2.6人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上になると考えられています。

 

日本の高齢化と少子化の原因と現状

 内閣府が発行した資料によると、日本の人口構造において、高齢化が進行している主な要因として二つが挙げられます。一つ目は、年齢階級別の死亡率が低下し、65歳以上の人口が増加していることです。二つ目は、少子化の進行による若年人口の減少です。

 

高齢者人口の増加

 高齢者の増加に伴い、死亡者数の実数は増加傾向にあります。しかし、高齢者の死亡率を男女別、年齢別に年次で比較してみると、ほとんどの年齢層で低下していることが分かります。このことは、医療の進歩や生活環境の改善が要因と考えられます。

 

少子化の進行

 合計特殊出生率は、第1次ベビーブーム以降急速に低下しました。例えば6年には2.22であったものの、しばらくは人口置換水準前後で推移していました。しかし、1975年に1.91と二を下回り、1993年には1.46と2をわり込む結果となりました。その後も低下傾向が続き、2005年には1.26と過去最低を記録しましたが、2015年には1.45まで回復しています。

 

日常で感じた高齢化

 なぜ自分たちが日常で高齢化を感じたのかについて説明します。理由を6つ紹介します。1つ目は、買いものに行くために店に入ると、チェッカーレジを使っている高齢者が大多数を占めていたからです。2つ目は、スーパーに行って店に入ると、スーパーでお弁当を買い求める高齢者が多くなったからです。3つ目は、道端を歩いていると高齢者が経営している店が多くなったからです。4つ目は、祖父母が住んでいる家の周りの人のほとんどが高齢者だったからです。5つ目は、歩道を歩いているときに自動車を見ると、高齢者マークを付けている自動車の数が多くなったからです。6つ目は、家に帰ってテレビをつけると、若い芸能人があまり映らず高齢の芸能人が多く映っていたからです。

 

国際的な観点

 これらの現象は日本に限らず、他国でも見られます。インタビューによると「人生において結婚することが幸せである」という考え方が古いものとみなされる傾向があるとのことです。これも少子化に影響を与える要因の一つと言えるでしょう。ここで、アメリカの学生との交流から得られた少子化に関する意見をインタビューの内容とともに紹介します。

茨城大学の学生)日本の少子化が進む理由の1つに「婚期の遅れ」があります。1989年の日本人の平均初婚年齢は夫28.5歳、妻25.8歳ですが、令和5年の平均初婚年齢は夫31.1歳、妻は29.7歳です。男女ともに初婚年齢が高くなっています。婚期が遅れるにつれて女性の出産のリスクが高まるため、「妊娠しない」という選択肢を選ぶ方もいます。
アメリカの学生)日本において、婚期が遅くなっていることは「日本の文化」になっていますか?
茨城大学の学生)まだ「文化」とするには早いかもしれません。
アメリカの学生)なるほど。私は中国出身ですが、中国では「30歳で結婚するのは遅い」と言われています。しかし、自分の周りの友達は結婚についてまだ興味を示していません。周りに限らず、このような流れが広まってきています。韓国でも、女性が男性との差別に抵抗するために結婚や育児をしないという動きが出てきています。
茨城大学の学生)たしかに日本でも、女性の社会進出が進めば進むほど、「働きたい」と思う女性が増えていき婚期が遅れていきます。アジアには日本と同じように高齢化と少子化が進む国があるのですね。

このように、日本以外の国で「高齢化」や「少子化」がどう捉えられているのか知ることができた。さらに、この2つの問題の関連性の大きさにも気づかされた。

 

高齢化のデメリットとメリット

 主なデメリットとしては、若い人の減少、若い人にかかるストレスの増加、そして高齢者関連の費用負担が挙げられます。特に労働人口の減少は、経済成長の鈍化や社会全体の活力低下を招く恐れがあります。また、高齢者の介護や医療費の増加により、現役世代がストレスを感じる場面が増えるだけでなく、国家財政を圧迫する要因にもなっています。
 一方で、高齢者が持つ戦争体験や伝統文化の知識は、次世代にとって貴重な財産です。これらを学ぶことで、過去の教訓を活かし未来を築くことが可能です。また、高齢化に伴いバリアフリーの発想や制度改革が進んだ結果、公共施設のユニバーサルデザインが整備され、多くの人にとって便利で住みやすい環境が提供されています。
 高齢化社会の課題を正しく認識しつつ、その中で得られる知恵や制度の進化を活用し、より良い未来を築いていくことが求められます。

 

参考文献