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大学院地域サステイナビリティ実習への体験参加
人文学部
留学期間2015年度研修参加
大学院地域サステイナビリティ実習への体験参加
9月15日から25日までの間インドネシアのガジャ・マダ大学で、大学院地域サステイナビリティの実践農学教育プログラムのサマーコース実習に体験参加しました。インドネシアという海外の場で、現地の農業の見学や実験、ホームステイなど貴重な体験をし、日本という国の生活や常識とは異なる文化に触れるいい体験となりました。
プログラムとして未定のことや詳細なスケジュールがわからないことが多く、行く前はかなり不安の大きかったサマーコースでしたが、結果的には限られた時間の中で、やれることをどのように順番立てて進めていくか、必要なものはなにで、どこまでやってあればいいかなどをその時々で判断していく、良い経験となったように思います。
現地の農地でのフィールドワークに関するディスカッションをする機会がありましたが、私たち日本人の学生は拙い英語ながらもガジャ・マダ大学の学生とそれぞれ意見を出し合って、その是非を検討することができました。この時、言葉で説明するのが難しいところもあり、ビジュアル的な表現、グラフや絵を用いて議論しました。たとえば、午前と午後で地表からの深さによって土の温度の変化の仕方に違いがでたことに対して、ガジャ・マダ大学の生徒たちは午前中の霧影響ではないか、日本人組は午前と午後の日射の違いではないかという主張で議論をすることがありましたが、言葉では伝わりづらく、絵で表現しました。インドネシアの学生たちはわからないことはどんどん聞いてくるため、なんとかそれに応えよう、自分たちでわかる範囲で説明しようとする姿勢をつくることができたように思います。また、議論がだんだんと発展していくにつれて、自分の意見を明確にすること、自分の考えの軸をはっきりとさせることが大切だとわかりました。それでも英語での単語がうまく見つけられないことで言いたいことが表現できないこともあり、もっと英語を身につけていれば、と歯がゆく思うことが多々ありました。
サマーコース後には、学部生向けのプログラムとしてサマーコース内のプログラムで触れることがなかった畜産が盛んな農村や畑地にも訪れました。インドネシアでは、日本でも行われている家畜の餌となるサイレージ作りが、地域に密着した形で行われており、草は村で栽培し、牛の胃液から菌を取り、廃糖蜜やヨーグルトを用いて菌を培養させるといった、その地域の中で循環する形で家畜の餌作りが行われていました。材料を地域で調達するためコストも低く、発酵に失敗しても堆肥として利用するなど、無駄のない形がとられていました。
また、乾季と雨季における水供給量の違いによって育てる作物を変化させている地域も見学をしました。その地域では“スルジャン”というシステムがとられ、雨季には多量の水がその土地に流れ込み、そのままだと作物が栽培できないため、土を高く盛った農地を作り、水が溜まっているところでは魚を育て、だんだんと水位が下がっていくにつれて稲を栽培していくということでした。私たちが訪れた時期は乾季だったため、雨季に溜まった水はなく、農地は畑として利用されていました。雨の多い日本と比べ、乾季と雨季の差がはっきりとしているインドネシアでは、気温の差だけではなく水供給の差も農業環境として違いがみられるのだということを、実際に目で見て感じることができました。
学部生ということで、実験などにおいては知識不足が否めなかったですが、ガジャ・マダ大学の学生たちと言葉を交わす中で、自分で判断し、自分の考えで意見を述べることが少しずつできるようになっていったと思います。はじめは不安でしたが、実際に行ってみると、インドネシアでの生活はとても充実していました。ガジャ・マダ大学の学生がくれたグァバやインドネシアの果物をかじったり、ベチャという運転手が後ろで自転車をこいで、前に二人が乗れる人力車のような乗り物にのったり、スーパーなどの店舗もある一方で、市場では野菜を分銅で量り売りしていたり、鶏がその場で捌かれていたり、日本ではできない体験や見ることのできないものを目にすることができました。言葉も宗教も生活習慣も違う、インドネシアの日本とは異なる文化に触れることで、視野が広がったように思います。今後の人生にその視野の広がりを活かしていきたいです。