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COILでつながる世界──学生たちが企画する文化交流イベントの舞台裏
茨城大学グローバルエンゲージメントセンターの教員が担当する基盤科目「国際共修(ベトナム)」では、本学の協定校であるベトナム・ハイフォン大学と連携し、COIL(Collaborative Online International Learning)という国際的なオンライン学習プロジェクトを通じて、学生たちが異文化理解を深めています。COILは、異なる国の大学の学生がオンラインでつながり、互いの教員のサポートのもとで協働的に学ぶ教育手法です。この授業では、ハイフォン大学の学生と一緒に、日本とベトナムの文化を紹介するイベントを企画・運営しており、ハイフォン市内の中高生に向けた日本文化紹介イベント、茨城県内の中高生に向けたベトナム文化紹介イベントの準備が進められています。
8月31日(日)、茨城大学とハイフォン大学の学生たちはオンライン会議システムZOOMに集合し、それぞれの企画に向けた準備を行いました。各グループがイベント内容や協力してほしいことを発表した後、グループをシャッフルして、互いの活動に対するフィードバックを交換したり、文化について自由に語り合ったりしました。
今回のイベントでは、ベトナムの文化をさまざまな角度から紹介するために、学生たちは7つのグループに分かれて準備を進めています。音楽と身体を使った交流を目指すグループでは、ベトナムの各地域の歌やダンスを紹介し、人気のある「BONG BONG BANG BANG」を一緒に踊る企画を進行中です。言語に焦点を当てたグループでは、ベトナム語の挨拶を使ったビンゴゲームや、早口言葉をテーマにした伝言ゲームを通して、楽しみながら言語に触れる工夫がされています。遊びをテーマにしたグループでは、石取り遊び“Ô ăn quan”や、缶蹴りに似た“Ném lon”、さらに“Chơi chuyền”といった伝統的なゲームを紹介する予定です。食文化に関するグループでは、生春巻きづくりの体験や、ココナッツを使った料理の紹介を通じて、食を通じた文化理解を深めようとしています。
話し合いはどのグループもスムーズに進み、これまでの準備の成果がしっかりと表れていました。また、言語の壁を越えて活発な意見交換が行われ、学生たちは互いに協力しながら企画をブラッシュアップしていきました。企画改善のアイデアとしては、ゲームの合間にお菓子を配ることで時間調整がしやすくなることや、ベトナム人の好きなお菓子をインタビュー形式で聞く方が自然で交流が深まるといった実践的な提案が出されました。料理に関する話題では、生春巻きの具材が家庭によって異なることや、具材の選び方に関する意見交換も印象的でした。
イベントの話し合いが終わった後も、学生たちは余った時間を使って雑談を楽しみました。絵しりとりで盛り上がったり、日本の遊び「だるまさんがころんだ」やオセロの話題で交流が広がったりと、画面越しでも笑顔があふれる時間となりました。こうした何気ないやりとりの中で、学生たちは互いの文化への理解を深め、親しみを感じるようになっていきました。
活動を通して、ベトナムの建国記念日の過ごし方や、体育祭で行われる“ピックルボール”という競技、ベトナムにも“かごめかごめ”に似た遊びがあることなど、さまざまな文化的な発見がありました。日本の漫画やアニメがベトナムでも広く知られていることに驚いた学生も多く、細かな文化の違いや共通点に気づくことで、交流の楽しさと深さを実感していました。
授業を通して、学生たちは「国境を越えて仲間意識が強くなる感じがする」「他の国と話すことって楽しい」といった思いを抱き、次回のイベント本番に向けて期待と意欲を高めています。
なお、9月13日(土)には茨城大学水戸キャンパスにて「【中高生対象】ベトナムとつながる文化交流イベント」が開催されます。学生たちが準備してきた企画が実際に形となるこのイベントでは、ベトナムの文化に触れながら、国際交流の楽しさを体感できる貴重な機会となります。詳細はをご覧ください。
https://events.admb.ibaraki.ac.jp/2025/10001283.html
参加者に楽しんでもらえるような環境づくりを目指しながら、学生たちは今後も協働の力で文化交流を形にしていきます。
