海外留学を希望するみなさんへ
Introduction of Global Education Center
留学体験・協定校情報
同じ空間で様々な言語が飛び交っているという初めての体験
農学部
留学期間2023年度研修 AIMS派遣プログラム
授業で学んだ専門的な内容について
今回の留学において履修した専門科目はタイ語以外の3科目であり、その中の一つであるThermal Processingのみが海外留学単位として交換可能であった。主に食品加工における熱処理について学習するため微生数や増殖曲線など既に学んだ内容も含まれるが、計算式や加工機器の仕組み等の専門的な内容を英語で学ぶことは困難であった。また、残りの2科目においても熱帯農業の概略を学ぶために広く浅く学ぶ必要がある。これも多くの英単語の知識を必要としたため復習は必須であった。毎回の講義では異なる教授が招待され、スライドに含まれている情報量も教授によって違っていた。よって講義中のメモや同級生との情報共有は重要であった。
Introduction to tropical Agricultureは各分野の教授を講師として歴史や文化、社会構造といった多彩な視点から熱帯農業について学んだ。
Principle of Tropical AgronomyはIntroductionに比べてより具体的な内容まで踏み込んでおり、熱帯農業で多く用いられている灌漑方法や作物の特徴等について学んだ。
海外の大学で授業を履修するにあたって工夫した点および反省点
留学初期の履修における最初の失敗は交換可能科目とその他の科目及びその単位数を正確に理解していなかった点だ。最初に大学に渡された留学生用の授業表を渡された際、当初履修を予定していたThermal Processingは記載されていなかったため履修できないと思い込み大学に提出する履修届けに書かなかった。しかし、留学生用の通常科目では単位交換不可能なためわざわざ別のプログラムの授業であるThermal Processingを受ける手はずになっていた。この勘違いによって留学先の担当者に修正紙を持っていく2度手間になった。これは提出前に日本の大学の担当教員及び留学先の同級生と確認をしていれば起こらなかったミスであり、私も同級生、教員に聞いたことでミスに気付くことが出来た。よって、同級生間の情報確認は非常に重要であり、そもそも留学に必要な単位が頭に入って入れば問題は発生しなかった。よって事前履修関連の書類はもらった瞬間に読み、教員や同級生との再確認を行うことを推奨する。
多様な文化・価値観に触れることで得られたこと
留学先であったタイには多くの人種が住んでおり、大学内外にかかわらず様々な国の人達とコミュニケーションを取ることが出来た。タイのプーケットはオーバーツーリズムが深刻化していると言われており、同じ空間で様々な言語が飛び交っているという初めての空間を体験することが出来た。この様な環境のため中国語や韓国語で話しかけられることも多く、英語が上手い下手以前の問題ではなく身振り手振りや英語や日本語の混じった単語のみで意思の疎通を試みることも多かった。この経験は言語の学習目的が上手く言葉を話すことではなく、円滑に意思の疎通を図ることであると強く感じさせてくれた。
留学で得た知識・経験を,自身の将来にどのように活かしていくか
留学で得たものとしては知識と経験に分けられるが、知識が生かせる場面は専門的な職種等に限定されるのに対して経験は生涯を通して生かすことができると考える。留学で育まれた英語力、熱帯農学知識は素晴らしいものであり、少子高齢化や円安など多くの要因によって国際化が求められる日本において必要になる能力である。しかし、それ以上に留学先において新たな人間関係を構築し、環境に適応した経験こそが最も得難いものであったと考える。誰もが将来職に就き新たな環境に身を置く必要があり、その状況を先んじて体験した上で乗り越えられたことは大きな糧になるのではないか。加えて特に何かを強制されることのない環境下で現状の課題を自身で考え、解決する一連の流れは仕事に限らず学業においても役立つ習慣である。この様にこれらの経験は社会人のみならず大学生活においても有意義なものであると考える。
派遣先大学で特に良かった点
大学主催のイベントが多く、留学初期には交流を広げる良い機会であった。休日には泊りでのイベントも存在し、料金は基本的には大学持ちであるため気兼ねなく楽しむことが出来た。また、KUはタイにあるもう一つの留学先と比べて日本人留学生が多く、その点も新たな環境になじむ上で有難かった。現地の学生も非常にやさしく、こちらから話しかけられなくても様々な場所へ誘って案内してくれる。タイ人は親切な人が多くたとえ英語が通じなかったとしても諦めずにコミュニケーションを取ってくれるため、全く意思疎通がとれない状況にはならなかった。授業においてもスライドが配布されるため追加で何かを用意する必要もなく助かった。
同じ大学へ行く後輩へのアドバイス
上記の通りKUは日本人留学生が多く、同じような境遇の日本人と比較的簡単に友達になれる。また、現地の学生も皆親切で、こちらから話しかけられなくてもコミュニケーションを取ろうと努力してくれる意欲的な人が多い。そのため、留学先で孤立する心配は少ない。加えて、授業においてもテスト自体の配点はどの科目においても高くないため日々の課題に真面目に取り組んでいれば落胆する心配はない。万が一、点数が心もとなくても現地の職員や教授に事情を話せば力になってくれる。しかし、それに感けて、人とのコミュニケーションをおざなりにしたり、面倒くさがって交流を避けていたりすると余計に大変な目に合う。よって留学初期は大変だと思うが多くのイベントに参加してたくさん遊ぶことを推奨する。