私はこれまで三回留学に行くのを諦めてきました。最初のチャンスは中学生の時、次は高校生の時、三度目は大学生の時です。四度目の院生は、学生として留学に行く最後の機会で、絶対に留学をしてやると決めていました。

　トントン拍子で留学に行くことが決まり、提出書類や引っ越しに追われていて気が付いたらあっという間にオーストラリアに飛んでいました。今でもオーストラリアに着いた日のことは忘れません。到着してすぐに大学の留学生説明会があり、初めてリアルな英語の速さを目の当たりにし、案の定全く何もわからずこれで生活していけるのか…？と不安に思いました。しかし大学のイベントやサークル、授業に参加していくことで段々と海外の生活にも慣れました。最初は見つけさえできなかったスーパーも、いつ安いかどこのお店は何が安いか生活の知恵を蓄えました。友達と海で体を焼いたり、原っぱでピクニックしたりオーストラリア流の休日の楽しみ方も経験しました。半年を迎えたあたりで急に英語が聞こえるようになり、会話が広がるようになりました。後半はバイトをしたり、ルームメイトとよく二人ででかけたたりしていました。そして同じように楽しんでいたら、あっという間にオーストラリアを離れる日が来て、1年の短さに衝撃を隠せませんでした。

　もちろん、1年間常にうまくいっていたわけではなくて、英語がわからなくて英語を話すのが怖くなってしまったり、周りの日本人留学生と自分を比較して落ち込んだりして部屋から出られなくなってしまった期間も何度もありました。でも今思い出せるのは、そんなつらかった記憶ではなく楽しかった記憶だけです。

　そして今、日本での就活を迎えていますが、そんなオーストラリアでの経験は私に様々な選択肢を与えてくれるようになりました。アメリカ、アジア、ヨーロッパ、アフリカ様々な人と出会って、文化も考え方も全く違う人たちの中に固定概念なんてありませんでした。完全に固定概念に縛られていて、人生ではこうあるべきと考えていましたが、今ではやりたいようにやればいいんだと思えるようになりました。若いうちにたくさんの選択肢を得られたことは、今後の人生を彩ってくれると確信しています。
留学を悩んでいる方、留学に行く前の不安な方、一歩踏み出してしまえばなんとかなります。絶対に周りが助けてくれます。
人生にたくさんの選択肢を！