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留学体験・協定校情報

留学体験談(マレーシア・マレーシア科学大学)

教職大学院教育学研究科 1年

留学期間2022年3月~2023年3月

1.留学に至るまで

 もともと留学へ行くのは学部生としてであったが、この時に大きな影響を及ぼしていたコロナの影響で、6か月延期となり、院に籍を置いたままの留学となった。そのため、行く前は本当に先が見えない状態での準備期間となった。高校生の時から漠然と「長期で留学に行ってみたいな」と思っていた私は、学部生時代に、今回を含めて2回交換留学に応募をした。はじめは、英語の資格試験の点数が足りず留学を断念。そのあと、どうにか留学をしたいと思い調べ続け、トビタテ留学や語学学校へ行く語学留学など、様々な方法を模索していた。実は私は昔、「交換留学は絶対に使いたくない」と思っていた。なぜなら、「自分の大学に所属していればいけてしまうし、簡単すぎる!目的意識がなくてもいける!」など尖った意見を持っていた。しかし、大学の中で交換留学生のチューターを始め、色んな留学生に合う中で、みんなとても面白くて、パッションのある彼らにとても惹かれていった。また何人かの教授と相談をしている中で、「交換留学は大学生の特権。学生として海外に行くのは、社会人として留学にいくのとはまた違うものだと思う。」という言葉がとても刺さった。そこで私は交換留学に再度応募をし、資格試験の点数も基準値を満たし、マレーシアへ行くことが決まった。
私はもともと、日本語教育プログラムの実習もかねての留学だったため、ある程度選択肢が絞られていた。その中でなんだか楽しそうなマレーシアに行こうと決めたのだ。もちろんいくつかの理由があってマレーシアを選んだが、周りからは「マレーシアってどんなところなの?英語話せるの?そこに行く価値あるの?」など、理由付けを求められることが多くあった。それらに対して自分も時折動揺してしまい、「本当に留学へ行った方がいいのかな?マレーシアでいいのかな?」と考えることもあった。けれど、それらに負けぬよう、マレーシアで挑戦したいことや行きたい理由を自分の中でさらに明確化し、ついにマレーシアへ飛び立つ日が来ていた。
この時の私の中での一番の動機は「世界でも自分は通用するのだろうか」というもので、コンフォートゾーンから出て、自分を試してみたいという想いが強くあった。

 

2.マレーシアを選んだのは正しい決断だった

 はじめに、声を大にして言いたいことは「マレーシアは留学先として最高の場所」ということである。マレーシアは東南アジアに属しており、日本人にとって英語を使うのか否かのイメージが無いくらいにあまり知られていない。
マレーシアという国は、マレー・中国・インドの3種の人種で構成されており、マジョリティはイスラム教である。これはもともと知っていたが、実際にいっていみると、想像以上の多様性が見られた。それぞれがお互いの文化を尊重し合い、共存しているマレーシア。多様性と一口に言っても、アメリカのような多様性ではなく、アジアの多様性が存在するのがマレーシアの特徴であると言えるだろう。バイリンガルやマルチリンガルであることは普通であり、ほとんどの人が少なくともマレー語、英語を話すことができる。だから彼らは、新しい文化を受け入れることにとても寛容で、知らない文化を知ることにとても意欲的だった。そして、いつも明るくフレンドリーで、すぐに馴染むことができた。私の行った大学であるUSMは、正規生としても様々な国から留学生が来ており、マレーシアでの多様性に加えて、より多くの国の人々と関わることができた。
多様な文化や価値観を知ることはとても面白く、時には「え!そんなことが OK とされているの?」と驚くことも多くあった。しかし、だからと言って相手を批判することはなかったし、お互いに受け入れ、それらを尊重し合っていた。私は、出会った仲間たちとの関わりを通して、「アジア人」としてのアイデンティティを確立したように思う。もちろん自分が日本人でありアジア人であることは理解していたが、マレーシアでの生活を通して、自分のことをよりアジア人として認識し、自分が持っているものを尊重する心が養われたように感じる。
また、特技であるバレエの経験を活かして、マレーダンスのサークルに入ったり、日本語クラスのアシスタントをボランティアとしてやったり、長期のセメスターブレイクにはカンボジアへ行って英語学校のボランティアを行ったり…やりたいことにはとりあえず挑戦というマインドで過ごしてきた。様々な方面で自分らしさを出せる部分も確保しつつ、新しいことにも挑戦できたように思う。

3.帰国してからの私の心

 日本に帰ってくると、自分の考え方が変わったのだなと思うところはいくつもあった。「どうにかなるさ」の精神や「spontaneously」な計画の立て方…挙げきれないくらい感じることはあった。けれども、郷に入っては郷に従えで、自然と日本でのやり方や考え方に染まっていく感覚があったし、かつて持っていた古い習慣等はあっという間に自分の中へ入ってくる。
「郷に入っては郷に従え」、このことわざは本当にその通りだと思う。けれども、全部が全部、無理をして従う必要はないと私は思っている。どういうことかというと、良い意味で自分の考え方が変わったところや、新しい好きな見方を見つけたのなら、それらは自分のマインドセットとして残していいと思うのだ。もちろん従わなければならないルールはある。でも、そこさえ最低限守っていれば、新しく見つけてゲットしたものはそのままでもいいのだと思う。
留学で得てきたものは、本当に自分の人生の在り方を変えるものであると心から思う。


 

4.メッセージ

 長々と私の経験、そしてその時の感情を書いてきたが、とにかく言いたいことは…
「少しでもやりたいと思うのならやってみて!」
ということだ。もちろん不安や怖さはつきものだし、自分だって、やってみる前に不安なことばかり考えて足元がすくむ時だってあった。留学中だって、時々、友達がいるのに何とも言えない孤独感を感じたことや、思うようにいかなくて苦しい時だってあった。でもそれらすべては自分と向き合う良い機会になったし、いつも自分が心さえ開いてオープンマインドでいれば、人は集まってくる。「知りたい!挑戦してみたい!」の気持ちを大切に、今しかないこの交換留学のチャンスをつかんで使ってほしいと思う。