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“はじめての出会い”がつないだ多文化の輪――双葉陽だまり館で交流イベント(1月17日(土))

2026年1月17日(土)、水戸市の社会福祉法人・愛の会「双葉陽だまり館」で、大学・社会福祉法人・地域住民が協力して多文化交流イベントを開催しました。茨城県国際交流協会が進める国際理解教育の取り組みの一環として、県内在住の外国人や留学生が母国の文化を紹介し、地域の中に多文化を“体感できる場”をつくることを目的としたものです。これまでは主に学校や生涯学習施設を対象に行われてきましたが、日本社会では近年「日本人ファースト」に象徴される排他的な価値観が広がりつつあり、地域全体で多文化共生を進める必要性が高まっています。今回は、地域交流機能が制度上求められている特別養護老人ホームを会場とし、多文化理解を地域の中で広げるための試験的な取り組みとして実施しました。

特別養護老人ホームには、老人福祉法や介護保険法に基づき、地域との連携・交流を図ることが運営基準として定められています。双葉陽だまり館は地域交流スペースを備え、地域に開かれた施設として住民が自然に出入りできる場づくりを進めたいと考えています。こうした施設側の意図と、本事業の多文化理解の趣旨が一致したことで、今回の開催が実現しました。当日は、地域住民20名ほどに加え、施設で働くインドネシア出身の実習生、そして茨城大学からは交換留学生7名と日本人学生1名が参加し、地域と大学と施設がひとつの場に集う新しい交流のかたちが生まれました。

イベントでは、ベトナム・タイ・インドネシア出身の留学生たちが、それぞれの国のお正月の風習や文化を紹介し、参加者は「そんな違いがあるんだね」「面白い!」と楽しみながら異文化に触れていました。続いて行われた各国の遊びやゲーム体験では、5人ほどのグループに分かれて交流。文化も年齢も異なる参加者同士が同じ遊びに夢中になり、「初対面とは思えないね」と笑い合う温かな空気が広がりました。また、地域の方による日本の伝統遊びの紹介もあり、世代間のちょっとした会話の種にもなりました。

おもちつき体験では、留学生が見よう見まねで杵を振り下ろす姿に応援の声が飛び交い、つきたてのお餅を囲んで「どんな食べ方があるの?」「うちの国ではね…」と文化の違いが自然と会話につながる楽しい時間となりました。

特に印象的だったのは、多くの地域住民が「外国の人と話すのは今日がはじめて」と嬉しそうに語っていたことです。最初は緊張していた方も、学生たちの明るい声かけに安心して会話を楽しむようになり、「思っていたよりずっと楽しかった」「もっと話してみたい」と笑顔が広がっていきました。こうした“はじめの一歩”が重なることで、地域の中に自然な多文化の関係性が育っていく可能性を強く感じられました。

今回の取り組みは、茨城県国際交流協会、社会福祉法人愛の会、茨城大学グローバルエンゲージメントセンター、そして地域住民の皆さんの協力によって実現しました。特別養護老人ホームという場を地域に開き、大学の留学生たちと地域住民をつなぐ交流の仕組みを形にしたことで、多文化共生の新しいモデルとなる手応えを得ることができました。今回生まれた笑顔やつながりが、今後の地域づくりに広がっていくことを期待しています。