授業では主に食品化学と食品微生物について学びました。食品化学の授業では、食品中に含まれている炭水化物・ハイドロコロイド・タンパク質・酵素・脂質・ビタミン・ミネラルについて、それぞれの定義と主要な物質の名称や基本的な性質、起こる反応を学びました。酵素が起こす反応やコロイド粒子の分散についての授業もあり、今まで高校・大学で学んできたものと似た内容のテーマが多かったです。
食品微生物の授業では、発酵食品や食中毒について学びました。ボツリヌス菌・大腸菌・黄色ブドウ球菌などの特徴や引き起こされる食中毒の症状と、その微生物を含む食品について詳細に学びました。また、体験と見学の形で食品化学実験にも参加しました。この実験ではそれぞれのグループで異なる野菜や果物などの食品を用いて、糖や酸の含有量や非酵素反応の実験を行っていました。

授業の全般が英語で開講されているため、事前に配布される授業資料の中で分からない単語の意味を調べて予習をするようにしていました。英語での授業に慣れるまでは、資料の文章を日本語に翻訳し、概要を理解してから英語の本文を読むようにし、二段階の予習をして理解度を高められるように心がけていました。また、テスト前には友人と集まって勉強をしたり、先生に質問をしに行ったりしていました。大学内の図書館やカフェなど、集中して勉強ができる環境がたくさんあり、よく活用していました。反省点としては、一つ一つの授業時間が長く、授業の進みが速いため、予習と復習があまり効率よくできなかったことです。

留学中の生活は、街や人の雰囲気から日本とは全く異なっていて、海外での生活だからこそ感じられる刺激的な毎日でした。食生活や電車とバスの乗り方や、トイレの形式など、自分が日本で生活していて当たり前だと思っていたものが他の国では全く違うということを、身をもって体感しました。学習の面でも、日本よりも授業中の学生と先生とのコミュニケーションが多く、グループ課題やプレゼンテーションが組み込まれている授業がほとんどで、いろんな人と会話しながらの学習は新鮮で、積極的に自分の意見を言うことができるようになる良い機会となりました。海外への留学は学業の面だけでなく、さまざまな面で成長できる期間であると改めて感じました。

留学の経験によって、専門的な分野を幅広い視点から学ぶことの大切さを実感し、また異なる文化で生活したことによって自分の将来について見つめ直す機会となり、就職等の今後の進路を考えることに役立っていると感じています。私は将来、国際的に活動する仕事に就くことについても興味があり、仕事の上で海外の方とのコミュニケーション等が必要になったときに、今回の留学での経験を活かすことができるのではないかと考えています。
また、海外で生活したことで、自分の価値観にだけとらわれるのではなく、多様性を知り、視野を広げて周りをしっかり見て行動することが大切であるということを、身をもって体感しました。同じ文化の中にいると、どうしてもその文化が固定概念として残ってしまうので、一度シンプルな考え方に戻って、異なる意見を遠ざけるのではなく、それぞれの意見を取り入れたうえで考えをまとめていくという姿勢でいたいと感じています。

同じ学部の現地学生がとても優しくフレンドリーで、授業が終わった後にご飯を食べに行ったり、休みの日にはいろんな場所に連れて行ってくれたりしました。学内の施設についても、図書館での学習スペースがとても広く、空き教室を使うこともできたため、自主学習がしやすい場所がたくさんあったことも良かったです。担当の先生方も親身になってサポートしてくださり、学校生活において大きな不安もなく有意義な時間を過ごすことができました。また、講義ごとにLINEのオープンチャット機能を利用していて、先生から生徒へ直接授業の連絡等が来るため、情報の共有や質問もしやすくて良かったです。

同じ学部に日本人の留学生はほぼいないため、最初は不安があるかもしれませんが、KMUTTは先生も学生もとても優しく、楽しい学生生活を過ごすことができます。私自身、今まで自分からコミュニケーションをとることがとても苦手でしたが、KMUTTへ留学に行ったことで、たくさんの学生と話す機会があり、色々な話をしたことで、周りの人とコミュニケーションをとることの大切さを知り、自分から積極的に話ができるようになりました。
１つ１つの授業時間が日本よりも長く、進むスピードも速いため、予習と復習をしっかりとやっておくと良いと思います。また、KMUTTでは全員がタブレットで授業を受けているため、留学に行く前から用意しておく必要があると思います。