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留学体験・協定校情報

静宜大学での留学体験

人文学部社会科学部 現代社会科学科

留学期間2022年9月~2023年6月

協定校情報留学報告書

1.留学に至るまで

 大学入学時よりずっと交換留学に挑戦したいと思っていたので、応募への決断は早かった。しかし、コロナ禍ということで校内推薦を通過しても本当に行けるかわからないという状況で準備を進めていた。出発の3か月前に正式に派遣先の大学から受け入れ可能という知らせがきて、大急ぎで手続きなどをした。家族や周りの人たちからは、この状況で海外に行くのは難しいのではないかという否定的な意見も多かった。しかし、留学に挑戦したいという強い思いと、世界が変わり始めている今だからこそ海外で学ぶことに意味があるのではないかという思いを伝え、みんな心配しながらも応援してくれた。

  

2.留学スタート

 私の留学は7日間の隔離ホテルでの生活から始まった。台湾でのコロナ水際対策により入国者は7日間の隔離が義務付けられていて、絶対にホテルの部屋から出てはいけなかった。3食部屋のドアの前にお弁当が支給されるが、誰とも会話もできず、世界から一人取り残された感じがして、とんでもない時期に留学してしまったとホームシックになりかけた。隔離後の外の世界は今でも思い出すことができるくらい鮮明に覚えている。かんかんと照りつける太陽、露店から出ている臭豆腐の独特な香りと小籠包や包子の湯気、少し油っぽい路面、交差点のバイクのとんでもない量と音、ちらほら聞こえる中国語での会話。全てが新鮮で、本当に外国に来たんだなという思いでいっぱいになった。

  

3.台湾での大学生活

 私の大学生活は前期と後期でがらりと変わった。前期は基礎的な中国語強化のために、毎朝9時から12時までの3時間中国語コースに参加し、午後は3つ一般のアカデミーのクラスを履修した。中国語のクラスは20人と人数が多く、ベトナム人、タイ人、フィリピン人と日本人というアジアの国の人たちとともに中国語を学んだ。ペアでの会話練習も多く、全く聞き取れなかった中国語も3か月ごろくらいには簡単な受けこたえができるようになっていた。しかし、授業では受け答えができていても街に出るとなかなか会話ができないという現状が続き、私の今話している中国語は外国人が話す中国語であり、さらに教科書で習ったはずの単語や文法をなかなか使われていないことに気づいた。私は教科書では学べない実践的な中国語を身につけるべきだと思うようになっていた。  
 その気づきから、他の留学生と一緒に中国語を勉強するのはとても賑やかで楽しかったが、自分のスキルアップのために、後期は中国語コースで習うような基礎の単語や文法は独学で勉強して、アカデミーのクラスを多く履修し台湾人だけのサークルに参加したりと、現地の学生と交流する場を増やした。全てアカデミーのクラスをとる留学生は多くなく、周りとも生活リズムが変化し疎遠になってしまった留学生もいたが、台湾人の友達も増え彼らと出かける機会も多くなった。教科書にはのらないようなネイティブな言い回しや台湾語のようなより実践的な中国語を習得し、現地の学生と交流する機会が増えあの時の大きな決断は間違いないと思っている。

4.大学外の活動

 休みの日や長期休暇にはたくさん旅行に出かけた。台湾は一つの小さな島に山・海・川のような全ての自然がそろっていて、歴史的建造物も多く美味しい食べ物もたくさんあり、訪れるべきところが多くある。大学の機関が企画する旅行に参加して他の留学生と交流を深めたり、友達同士で計画を立てて色んな所に行き台湾のほとんどの県に行った。私はざっくりと行きたいところを決めておいて、そこまでの行き方やおすすめの飲食店を現地で出会った人に聞くという風に、行き当たりばったりの旅行をよくしていた。台湾人は外国人に対してすごく親切でフレンドリーなので、観光地に行くのが楽しいというよりは現地の人と交流するのが本当に楽しくて新鮮で旅行や遠出に出かけていた。

5.最後に

 この留学を通して、私は自分らしさというものを取り戻すことができたように感じる。コロナ禍で外出したり誰かと顔を合わせることが少なくなって、ふさぎ込みになっていて何にもあまりやる気が出ない生活を送っていた。しかし、誰にでも親戚のように接してくれる温かさを持ち、周りを気にせず自分のペースで生活している台湾人の方々と触れ合い、人と交流することが好きで好奇心旺盛な自分という存在を再確認することができた。台湾で過ごした10か月間は間違いなく私の人生のターニングポイントになった。いつも応援してくれた家族や周りの友人たち、留学をサポートしてくれた大学の方々、そして台湾で出会ったすべての方々に感謝して、これからもたくさんのことに挑戦していきたい。